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青少年研究会の様子(2011年12月3日)

 青少年研究会は、現代青少年の意識や行動を理論的・実証的に研究することを目的に、全国の10を超える大学から社会学や教育学の研究分野を中心に集まった研究グループです。

 

本研究会は、1980年代前半に都市社会学者の高橋勇悦教授(東京都立大学(当時))が代表となりスタートしました。当時、日本社会は消費社会の成熟期に入り、1960年代や70年代とは異なった都市の若者を中心とする意識や価値観の変化が衆目を集めており、若者が社会変容の急先鋒ととらえられていたといっても過言ではありませんでした。その変化を具体的にとらえ、若者と社会のあり方を考察していこうと会としての研究活動が開始されました。

 その後、30年ほどが経過し、研究メンバーの世代交代がありつつも、若者文化だけでなく、消費文化やメディア文化と若者との関係にも注目し、その文化的影響や若者の創出する文化について社会科学的な分析と実態把握を追究してきました。若者文化のみならず、ポピュラー文化に関わる社会科学の実証的研究は必ずしも多いとはいえない中、本研究会は1980年代の高度消費社会から現在のICTを中心とする情報社会の本格化の中での若者の意識や行動を経時的に考えるための重要なデータを多く集め、分析・発表してきました。

 幸いにも、この30年間の中で、1992年~1994年、2001年~2003年の2度にわたり、文部科学省・日本学術振興会の科学研究費による助成を受け、東京都杉並区と神戸市灘区・東灘区での若者の大規模調査を実施することができました。この調査研究に基づく学会発表や出版活動も多数おこない、イメージにとどまらない若者の実像に迫る研究として社会的にも大きな関心を集めるところとなりました。

 2006年から藤村正之(上智大学)が研究代表となりましたが、2011年度より日本学術振興会・科学研究費の3度目の助成を「流動化社会における都市青年文化の継時的実証研究―世代間/世代内比較分析を通じて」のテーマで受けることができ、3年間の調査研究活動に取り組んでいます。2011年度は若者研究に従事する海外3地域(フィンランド・オランダ・香港)の社会学者を日本に招き、国際ワークショップを開催しました。 2012年度は、日本の都市青年文化に関する大規模調査をおこないました。この調査は92年調査、02調査との比較、さらには世代間比較が可能なデータとなっています。

「若者は時代のリトマス試験紙である」とか、「若者は将来社会の鏡である」とも言われる中、青少年研究会は今後も理論的展望を持ちつつ堅実な実証研究の成果に基づいて、若者と社会にあり方についての検討をおこなっていきます。